診療案内

Medical information

子宮頚部異形成・婦人科がん

子宮頸部細胞診の結果(ベセスダ分類)

子宮頸がん検診(細胞診)の結果は、国際基準である「ベセスダ分類」に基づき判定されます。

  • NILM(正常):がん細胞や異常な細胞を認めません。1~2年ごとの定期検診を継続します。
  • ASC-US(意義不明な扁平上皮細胞):異常と言い切れない程度のわずかな細胞の変化です。ハイリスクHPV検査を行い、陽性の場合は精密検査(コルポスコピー)、陰性の場合は1年後の細胞診再検となります。
  • LSIL(軽度扁平上皮内病変):HPV感染による軽度の変化が認められます。精密検査(コルポスコピー)が必要です。
  • ASC-H(高度な病変を否定できない扁平上皮細胞):中等度以上の異形成が隠れている可能性がある細胞です。精密検査(コルポスコピー)が必要です。
  • HSIL(高度扁平上皮内病変):中等度・高度異形成や上皮内がんが疑われます。直ちに精密検査(コルポスコピー・組織診)が必要です。
  • SCC / Adenocarcinoma(扁平上皮がん / 腺がん):がんが強く疑われる状態です。組織診による確定診断と専門施設での加療が必要です。
  • AGC(意義不明な腺細胞):腺細胞(粘液を出す細胞)に異常が認められます。頸部だけでなく子宮体部の精密検査が必要となる場合があります。

子宮頸部の病変(異形成・子宮頸がん)

子宮頸がんは、性交渉により感染するハイリスク型HPV(ヒトパピローマウイルス)が原因で発生します。HPVはありふれたウイルスで、多くの女性が一度は感染すると言われていますが、そのほとんどは免疫によって自然に消失します。ハイリスク型のHPVが持続感染すると、数年から5年以上かけて「異形成(がんの前段階)」を経て「子宮頸がん」へと進展することがあります。

異形成は、正常な細胞ががんへと進行する過程の状態を指し、細胞の変性の程度により「軽度異形成(CIN1)」「中等度異形成(CIN2)」「高度異形成(CIN3)」の3段階に分類されます。

進展するリスク

各段階から高度異形成以上へ進展する確率は以下の通りです。

  • 軽度異形成(CIN1)から:12~16%
  • 中等度異形成(CIN2)から:22~25%
  • 高度異形成(CIN3)から:40%

当院での検査

細胞診で異常が認められた場合、以下の精密検査を行います。

  1. HPVハイリスク検査:ハイリスク型HPVに感染しているかを確認します。
  2. コルポスコピー検査・組織診:子宮頸部を拡大観察し、異常部位の組織を採取して確定診断を行います。

当院の治療方針(管理方針)

診断結果に基づき、以下の通り管理・紹介を行います。

  • 軽度異形成(CIN1):原則として経過観察を行います。3-6か月ごとに定期的な細胞診、および必要に応じてコルポスコピー検査を行います。
  • 中等度異形成(CIN2):3か月ごとの細胞診、および必要に応じてコルポスコピー検査による経過観察を行います。
    ※1~2年病変が持続する場合や、高度異形成への進展が疑われる場合、患者さんが希望される場合は、治療(円錐切除術など)をすることもあります。その場合は、総合病院へご紹介します。
  • 高度異形成(CIN3)・上皮内がん(CIS)・子宮頸がん:速やかに治療(手術療法、放射線療法、化学療法など)が必要となるため、診断後は直ちに適切な総合病院・専門医療機関へご紹介いたします。

子宮体がん・卵巣がん

子宮頸がん以外の代表的な婦人科悪性腫瘍について解説します。これらは早期発見が極めて重要ですが、当院では根治的な治療(手術や抗がん剤など)は行えないため、疑いがある段階で速やかに専門施設へ紹介することを基本方針としています。

  • 子宮体がん:子宮の奥(体部)の内膜から発生するがんです。不正出血が重要なサインとなります。
  • 卵巣がん:卵巣に発生するがんです。初期は自覚症状に乏しいため、エコー検査等でのチェックが重要です。

当院での検査

診断の入り口としての検査を実施します。

  • 経腟超音波検査(エコー):子宮や卵巣の形態、腫瘍の有無、内膜の厚さを確認します。
  • 子宮内膜細胞診または子宮内膜組織診:不正出血がある場合、子宮内膜が厚い場合など、子宮体がんが疑われる場合に内膜細胞または組織を採取して異常の有無を確認します。

当院の治療方針

悪性腫瘍が疑われる場合、速やかに紹介先の医療機関で精密検査(MRI・CT、組織診等)や治療が受けられるよう、迅速に紹介状を作成いたします。